肩こりについて
■ただの肩こり?それとも病気?「肩の痛み」を放置してはいけない理由
「肩が重だるい」「腕を上げると痛みが出る」といった違和感を感じつつも、「ただの肩こりだから」「年齢のせいだ」と自己判断して放置していませんか?肩の不調は整形外科を受診する理由の第三位になるほど頻度が高い症状ですが、実際には「肩こり」と感じてしまう症状の中に、専門的治療が必要な病態が潜んでいるケースが少なくありません。今回は、似ているようで全く異なる「肩こり」と「肩の痛み」の違いと、整形外科での治療について詳しく解説します。
■「肩こり」と「肩の痛み」の違い
●肩こり
肩こり(医学的には筋筋膜性疼痛症候群)は、首から肩、背中にかけて広がる僧帽筋などの筋肉が、過度の負荷や不良姿勢により緊張・硬化する状態です。筋肉が硬くなると血管が圧迫され血流が低下し、酸素・栄養不足からさらに筋肉が硬くなる「負のスパイラル」に陥ります。主な原因は長時間のデスクワーク、スマホ使用、猫背などの前傾姿勢です。感覚としては、倦怠感を伴う重だるい感覚があり、マッサージで一時的に楽になるのが特徴です。
●肩の痛み
一方、肩の痛みは筋肉だけでなく、関節や腱の炎症・損傷が原因となることがあります。例えば「腕を上げようとすると鋭い痛み」「夜間痛で眠れない」「動かせる範囲が狭くなる」といった症状が見られます。放置すると関節の拘縮で動かしにくくなるリスクがあり、治療に時間を要することがあります。
■整形外科での治療が必要な具体的疾患
肩の痛みを引き起こす代表的な疾患には次のようなものがあり、適切な診断と治療が欠かせません。
●肩関節周囲炎
関節を包む組織の炎症で肩が固まり、腕の上げが困難になります。よく四十肩・五十肩と呼ばれる疾患です。
●腱板断裂・腱板損傷
加齢・使い過ぎ・転倒などで腱板が断裂し、自然回復は見込めません。
●石灰沈着性腱板炎
腱にカルシウムが沈着し、急性の激痛を生じます。特に40〜50代の女性に多い傾向です。
●頚椎症性神経根症
首の神経が圧迫され、肩~腕に痛みやしびれが出るケースです。
●インピジメント症候群
肩を挙げる動作中に骨と腱が衝突して痛む状態です。
■整形外科で行う専門的治療
当院では、痛みの原因を正確に特定することから開始します。
●精密診断
問診・触診のほか、レントゲンで骨の状態を確認し、超音波(エコー)やMRIで筋肉・腱の損傷・炎症を詳しく観察します。当院では整形外科専門のMRIを導入しています。
●痛みを抑える治療(薬物療法・注射)
消炎鎮痛薬の処方、関節内注射(ヒアルロン酸・ステロイド)を行います。エコーを見ながら筋膜の癒着を剥がす注射も有効です。
●機能回復のリハビリテーション
理学療法士とともに物理療法(電気・温熱)や運動療法を実施し、関節の柔軟性を回復させ、再発予防の姿勢指導を行います。
■肩の痛みに関するFAQ
Q1: 痛みがあるときは安静にすべきですか?
A : 急性期の強い痛みがあるときは安静が基本ですが、痛みが収まっても全く動かさないと拘縮のリスクが高まるため、医師指導の範囲で少しずつ動かすことが重要です。
Q2: 肩こりと五十肩は同じですか?
A : 異なります。肩こりは主に筋肉の疲労・血行不良、五十肩は関節内の炎症です。症状の性質が異なるため治療法も異なります。自己判断せず受診を推奨します。
Q3: 温める vs 冷やす、どちらが良いですか?
A : 急性の激痛・腫れ・熱感がある場合は冷やす。長引く肩こりには温めて血行を促進し筋肉をほぐすのが有効です。
Q4: 肩を回すと「ゴリゴリ」音がしますが異常ですか?
A : 痛みがなければ生理的な音で心配なし。ただし音と痛み・引っかかり感がある場合は腱板損傷などの可能性があるため精査が必要です。
Q5: 湿布や痛み止めだけで治りますか?
A : 軽度の炎症なら改善することもありますが、腱板断裂・石灰沈着など構造的問題がある場合は薬だけでは不十分。長引く場合は画像検査で原因を特定します。
■まとめ
「ただの肩こり」と「治療が必要な疾患」を見分けるのは難しいため、夜間の痛み・腕が上がらない・しびれ等がある場合は、早めに受診してください。
白石クリニック整形外科・内科・消化器内科では、高槻市在住の方をサポートする体制を整え、北部の奥天神白石クリニックや高槻しらいし鍼灸整骨院と連携して、継続しやすい環境を提供しています。お悩みの方はぜひ当クリニックグループへご来院ください。

