脊柱管狭窄症について

脊柱管狭窄症は、脊柱管と呼ばれる神経の通り道が狭くなることで、神経が圧迫される病態です。
典型的な症状は、腰下肢の痛みとしびれです。立ち上がったり、歩いたりした際に症状が重くなります。前かがみになったり、座ったりすると症状が落ち着くのも特徴です。これは、脊柱管の狭窄が体位によって変化するためです。
重症例では下肢の筋力低下や歩行障害を伴うこともあります。
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- 歩くと痛みが走る
- お尻から足にかけてしびれがはしる
- 力が入りにくい
脊柱管狭窄症の原因
脊柱管狭窄症の原因は多岐にわたります。最も一般的なのは、加齢に伴う腰椎の変性変化です。長年の腰部への負担が、黄色靭帯の肥厚や椎間板の変性を引き起こし、脊柱管を狭窄させるのです。
また、骨粗鬆症による圧迫骨折や側弯症などの脊椎変形も、脊柱管狭窄の原因となり得ます。骨の脆弱性や構造の変化が、神経の圧迫を招くのです。
この他にも、喫煙や糖尿病、肥満、運動不足などの生活習慣因子も脊柱管狭窄症の発症に関与すると考えられています。
脊柱管狭窄症の治療方法
手術以外の治療方法
非手術療法は、患者様の状態に合わせて、複数の治療法を組み合わせて行います。大きな目的は、症状の緩和と日常生活動作の維持です。
薬物療法では、筋弛緩薬などを用いて、痛みとしびれの軽減を図ります。また、神経根ブロックや硬膜外ブロックなどの局所注射療法も、症状の改善に有効です。
リハビリテーションは、非手術療法の重要な柱の一つです。腰部と下肢の柔軟性・筋力の維持・向上を目的とした運動療法や、姿勢・動作の改善指導などを行います。適度な運動は、症状の改善と再発防止に役立ちます。
手術
非手術療法で十分な効果が得られない場合や、重度の神経障害を伴う場合は、手術療法の適応となります。脊柱管狭窄症に対する手術の目的は、神経の除圧と脊柱の安定性の確保です。
除圧術は、狭窄した脊柱管を拡げ、神経の圧迫を解除する手術です。黄色靭帯や骨棘を切除し、神経根や馬尾の可動性を高めます。
一方、固定術は、脊椎の不安定性が強い場合や、除圧術後の不安定性が予想される場合に行われます。スクリューなどを用いて、椎体同士を固定することで、脊柱の安定性を高めるのです。
よくある質問
- 脊柱管狭窄症はどんな病気ですか?
- 脊柱管狭窄症は、加齢に伴う腰椎の変性変化によって、脊柱管と呼ばれる神経の通路が狭くなる疾患です。脊柱管が狭くなると、神経が慢性的に圧迫されることで腰下肢の痛みとしびれを引き起こします。
重症例では、下肢の筋力低下や歩行障害などを引き起こすのも特徴の一つです。 - 脊柱管狭窄症が起きる原因はなんですか?
- 脊柱管狭窄症の主な原因は、加齢に伴う腰椎の変性変化です。長年の腰部への負担により、脊柱管周囲の組織にさまざまな変化が生じ、神経の通路が狭くなるのです。
また、骨粗鬆症による圧迫骨折や脊椎すべり症、側弯症などの脊椎変形も、二次的な脊柱管狭窄の原因となり得ます。骨の脆弱性や構造の変化が、神経の圧迫を招くのです。

